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中国・深センのamazonスクール「天鴿跨境(テンガカジン)」を突撃インタビュー!

今年は2018年の年明けから、amazonセラーのあいだで「中国人セラー」の存在が大きく注目されていました。
弊社データによると、amazonJP のセラーのうち、4人に1人が中国人セラーとなっており、amazonでショッピングをするということは、すなわち中国でショッピングをすると言っても大げさではない状況が起こっているようです。

また同じく弊社データによると、amazonJP内の中国人セラーのうち60%以上が中国・深センを拠点としており、深センからはamazonJPだけでなくamazon.comでも多くのパワーセラーを輩出しています。以下の画像は、amazonJP内の中国人セラーのデータです。

こうした中、6月下旬に中国・深センの坂田にあるamazonスクール「天鴿跨境(テンガカジン)」をお邪魔する機会がありましたので、講師のBettyさんと広報担当の李さんに、彼らのビジネスや中国人セラーについてなど、いろいろとお話をお伺いしてきましたが、長文なため要点だけ先にまとめさせていただきます。記事については、お時間のある方はぜひご覧ください。

~~ インタビューまとめ ~~
●セラーについて
・中国市場アリババは、アメリカより競争が激しい。
・主要プラットフォームは、アメリカ(amazon.com)。
・出店初期は自社発送、現在ではFBA利用が通常。
・自社発送での売上急増は、場合によってセラーアカウント一時凍結の可能性も。
・現在は厳選商品路線で、アカウントを運営している。
・中国深センの事情により、実際に10以上のアカウントを運営している。
・amazon.comでは、3ヶ月で月商5,000ドルも難しくない。
・2018年の売上目標は、60万ドル(約6,700万円)。
●スクールについて
・スクール開始は、セラー間の情報共有の場を作るためでもある。
・2017年9月設立で、2018年6月時点で100名ほどにトレーニング。
・今後は深セン以外の場所でも、セラー育成を展開予定。
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<天鴿跨境(テンガカジン)のウェブサイト>

<天鴿跨境(テンガカジン)の講師Bettyさん>

アマゾン運営は1人でスタート

Bettyさん、こんにちは。早速ですが、御社のスクールについてご質問する前に、セラーとしての貴社のこれまでの経歴を教えていただけますか?

私たちの会社は以前、アリババのB2B国際向けプラットフォームに出店していました。BtoCの卸に特化したAliExpressと、個人の仕入れに特化したAlibabaですね。この2つに出店していたんですが、会社の事業としては、2014年からamazon.comへの出店もはじめました。
当時はアリババの競争が激しかったんですが、それは私たちの会社のビジネスモデルに原因がありました。私たちの会社は、ディーラーとメーカーを併せた形を取っていて、出品していた多くの商品がディーラーとして仕入れていたアイテムなので、価格や他の側面で見ても、それほど優位性がなかったんです。それで会社は他のプラットフォームへの展開を試みたんです。それで私がamazon.comの運営を任されることになりました。

つまり、Bettyさんは最初から会社に属してamazon.comの運営をしていたんですね?

そうです。

なるほど。では、2014年の何月から始めたんでしょうか?

2014年の11月からアカウントを任されました。

そのアカウントはアメリカ(amazon.com)だけだったんですか?

はい、アメリカだけですね。それから私たちの会社は、2015年に日本(amazon.co.jp)への出店も始めました。

日本へは2015年から出店したんですね。では現在主に力を入れているプラットフォームはどっちですか?

今はやっぱりアメリカですね。日本語は英語に比べてハードルの高い言語ですから。

アマゾン運営でのトラブルについて

確かに、日本は他の国より運営が面倒かもですね。では、amazonへ出店してから何かトラブルはありましたか? それともまったく順調に運営しているんでしょうか?

トラブルは結構ありましたね、例えば最初の月とか。これはアマゾンのルールをあまりわかっていなかったことが原因です。当時はすべて自社発送で受注処理をしていました。

FBAを使ってなかったんですか?

最初はFBAを使ってませんでした。2014年はFBAを使ってませんね。おまけにそのアカウントはまだ新しいものだったので、最初の頃は売上増加にも制限があったんです。そして11月に始まって、12月にはアカウントが凍結されました。

えっ!? どうしてですか? 一時凍結とかでしょうか?

はい、アカウント審査が入ったんです。その理由ですけど、出店初月の11月は売上がとっても低かったんです。1,000ドルちょっとですね。それが12月の半月で5,000ドルに達していたので、アマゾン側は私たちが「自社発送なのに成長が早すぎる」ということで、自社発送を本当にしているかどうか、また偽物を発送してるんじゃないかって心配したようです。そこでアカウントが一ヶ月閉じられて、審査が入ったんです。その審査中は、私はいろんな資料や発送証明の書類を提出することになりました。

うわあ、それは冷や汗ものですね。

そうなんですよ、それでまるまる一ヶ月間審査に時間を取られました。

それじゃあ、そのときもし出店再開を諦めてたら、今のBettyさんはなかったんですね。

そうですね。

それじゃあ、それからはどうなったんですか?

それからですけど、正直なところアマゾン出店はいろんなところでトラブルが起きました。例えばセラーパフォーマンス率が規定より少しでも高いと、アカウント審査になったり、ある特定商品の返品が多いと、その商品に審査が入ったり、全部こうした小さなことが多かったですね。
でもこうしたことが、私たちがセラー育成を始めた原因の一つなんです。私たちの経験から、他の人が同じトラブルに遇わないように、ということで。当時実際に私がトラブルに遭遇したときは、とてもプレッシャーを感じていて、アカウントが完全凍結されるんじゃないかとすごく心配だったんです。どれぐらいひどかったかというと、アメリカと中国の時差が原因になって、未返信の問い合わせがたくさん出たりするんじゃないかと、それが怖くて、夜はスマホを抱えて眠ってたぐらいです。それでその時はメールが来たら、基本的に数分以内には目を覚ましてました。

そうだったんですね。夜も寝れなかったのは大変でしたね。

そうなんです。

そうなると業務時間も、いっそアメリカに合わせる必要がでてきちゃいますね。

ええ、すごく効率が悪かったんです。それなので、他の人には私と同じトラブルに遭って欲しくないんです。

出店当初の商品数について

そうだったんですね。ところで、最初に扱った商品数はどれぐらいでしょうか?

あんまり多くないですね。

50SKUとかでしょうか?

20ぐらいですね。最初の頃は、それぐらいありましたね。自社発送だったときは商品URLが多少ありましたから。これは誰も私に教えてくれる人がいなかったので、何もわからなかったんです。それでこのまま大量に商品を並べていけば良いのかな、と考えていました。でも大量出品をするなら、20-50SKUは全然少ないほうですね。それから2015年のだいたい4,5月ごろからFBAの利用が始まりました。その時から私たちの会社は、大量出品路線から厳選商品路線に切り替えました。

その厳選商品は、自社で作られたものですか?

私たちの会社の商品のうち、あるものは私たちが独自で開発したもので、それ以外は別のメーカーから仕入れたものです。

それでその後は、自社開発の厳選商品だけ販売するようになったんでしょうか?

いいえ、厳選商品路線に変わったからといって、セラーの1アカウントにその1つの商品しか販売しない、というわけではなくて、商品は(自社開発以外のもの含めて)いくつかありますね。でも細心の注意を払う商品を1つか2つに絞って、その広告や商品ページやレビューをメンテナンスしていくわけですね。

それではFBAへの納品の数も、同様に20-50まであるんでしょうか?

FBAはそこまで多くないです。FBAを使うのは、確実に数字を出したいいくつかの商品だけですね。

それじゃあ5SKU未満とかでしょうか?

はい、それぐらいですね。

その後、FBAと自社発送の売上どうなりましたか?

少しずつ変わって行って、2015年の売上の80%は、FBAのものでしたね。

わあ、それはすごいですね。

自社発送の受注も比較的少なくて、2016年は会社の運営する全アカウントの売上90%以上は、すべてFBAでした。

出店アカウントは全てFBAを利用

<Bettyさんトレーニングの様子>

あれ、ちょっと待ってください。さっき「会社の全アカウント」っておっしゃってましたけど、一般的に一企業一アカウントがアマゾンの規則だったと思うんですが?

それについてですけども、実は私たちはいくつも会社を持てるんですよ。中国の深センのような都市部では、私たちのような大きなオフィスを構えていると、いくつも会社登録ができるんです。中国と日本では会社登録は事情が違うんですよね。中国は比較的簡単なんです。

おおお、そうだったんですね。それじゃあ難しい話はこれぐらいにして、さきほどの話を続けましょう。では会社の他のアカウントも同じような状況ですか?

私たちの会社のアカウントは、基本全部FBAですね。

それはすごいですね。

今はアマゾン内プラットフォームは全てそうですね。

今は全て、最初からFBAなんですね? つまり今は自社発送はしていないんですね?

はい。今は自社発送はしてません。自社発送は時間的拘束がありますからね。

そうですね。それにカートも取れないですからね。

ええ。いまは基本的には自社発送はカートが取れませんね。

はい。もし相乗りで価格を下げれば、カート取れますかね?

そうとも言えないです。私たちの会社ですでに1,2年運営しているアカウントは全てFBAを使ってますけど、もし自社発送で他の人に相乗りしても、やっぱりカートは取れないと思います。

最初に話に上がった、Bettyさんが運営したアカウントについてですけれど、その後は特に問題ありませんでしたか?

問題ないですね。

その他のアカウントもでしょうか?

問題ないですね。なので、新しいアカウントは始めの頃はFBAを使ったほうが一番良いですね。

そうすればアマゾンプラットフォームからの信頼も得られますからね。

ええ。カートですよね。それに商品をFBAの倉庫に送ってますから、商品注文があったものは、本当に商品が発送されたことをアマゾン自体が把握していますからね。

FBAを使わなければ、自社発送の証明書提出などあったりしますからね。

FBAを使えば、アマゾンが返品も対応してくれますからね。そうすればカスタマーフォローのストレスも軽減できますから。

そうですね。ところで最初にあった24時間以内のメール返信の問題は、どのように解決したんでしょうか?

当時の私はこのアカウント管理にプレッシャーを感じていたんですけど、その後長く業務をこなしていると、この件がそこまで重要ではないとわかったんです。24時間以内にメール返信をすればいいだけのことでしたから。

そうですね。なので朝会社に出勤してすぐ返信すれば良いわけですね。

ええ。

事業の拡大とスクール運営開始

最初の頃はまだ慣れていなかったということですね。それで2015年については、14年10月から運営が始まって、15年は1年間まったく問題なかったんですね。それで2016年はアマゾンの運営面でもまったく問題なく、ますます良くなった、と。

ええ。それで会社のチームも大きくなりました。最初は1人が2人になり、それが今では8人のチームになっています。

今は8人になったんですね?

ええ、8人です。

それはすごいですね。そして1人でそれぞれ2つとか3つのアカウント管理をしている、というわけですね。

はい。

これはすごいですね。そうすればそれぞれの経験をお互いにシェアできますからね。それでは、2016年の売上は前年と比べてどうなりましたか?

2016年の売上成長についてですか? それは商品の状況で異なりますからね。それでいま私は、、

それか、いままで運営したアカウントでもいいですけど。

2016年は、私はまた新しいアカウントを担当することになりました。それで最初の3ヶ月は毎月1,000ドルぐらいの売上でしたね。それから少しずつ伸びて、毎月5,000ドルになって、今(2018年6月時点)は毎月3万ドルになっていますね。

うわ、、1,000ドル、5,000ドル、3万ドル、で伸びていったわけですね?

基本的に、中国でアマゾン出店する場合、3ヶ月以内で5,000ドルに達するのは、それほど大した問題じゃないです。

それでは今度は投資的な角度からご質問しますが、売上が月5,000ドルというのは、商品数、ASINはいくつぐらいでしょうか?

それほど多くはないですが、10ASINは無いですね。

なるほど、ASINは10未満なんですね。そこからおそらく1ASINを少しずつ育てていく、というわけですね。これだと日本のセラーも、ASINが10未満だと1ASINあたりどれぐらいの売上、販売数、商品単価が必要か、そしてだいたいどれぐらいの投資が必要か、ということも逆算でイメージできますね。

実はこれも、アマゾンの理念と関係がありますよね。アマゾンは「商品>セラー」で、セラーよりも商品を重視していますよね。アマゾンはそもそもショップという概念がありませんから。1つのショップ(セラー)が何百、何千と商品を上げることはできますけど、そのなかで本当に売れるのは、1つとか限られた数になります。

ほお、そうなんですね。

ええ。逆に1つか2つしか商品が無くても、その商品ページが優れていれば、それが良く売れるというのもよくあることです。例えば、消費者がアマゾンで商品を探すときに1番多く目にするのは、あなたの商品URLと商品レビューです。わざわざショップとしてのセラー情報を見に行くようなことは無いんですよね。

そうなんですね。セラーについては、後半はなんだか順調すぎる感じもしてしまいますね。何というか、すでに売上が一定水準に達してしまってるので。しかしまあ、それで現在はセラー育成を始めたわけですね。
ではもう少しセラーについてお伺いしますが、プラットフォームはアメリカと日本が対象で、アメリカについては最初にお話のあった時差の関係で、メール返信で苦労したということでわかりました。それでは、日本はどうでしたか?

日本については私は担当していません。私の同僚が担当しています。彼女はメーカー短期卸(※中国の販売政策)で大量に商品を扱ってますね。でも結構、疲れているみたいですよ。毎日商品画像をアップしたり、広告を最適化したり、とても骨が折れるそうです。これよりは、精品で展開したほうが良さそうですね。

それでは、Bettyさんたちのセラー育成でもターゲットにしているのは、主にアメリカでしょうか? ヨーロッパはどうでしょう?

メインはアメリカですね。ヨーロッパはVAT(付加価値税)の関係で、少し手続きが複雑ですからね。ただセラー育成でもヨーロッパについて話すことはあります。アマゾンのプラットフォームなので、運営注意点は同じですからね。

なるほど。主な対象はアメリカ、と。ヨーロッパについては、VATの問題さえ解決できれば、確かに運営面では同じですね。それで、さきほどおっしゃっていましたが、2017年の9月からセラー育成を始められたということで、もう半年たっていますね?

半年は経ってますね。もう3ヶ月で1年になります。

それで、セラー育成とプレイヤーとしての運営では、Bettyさんはどっちが楽しいですか? というのは、今Bettyさんは講師もされているので聞いてみたんですけど。

プレイヤーですね。。

2018年の目標と前年実績

ありがとうございます! それでは2018年の目標は何でしょうか? まずセラーとしての目標から教えていただきたいです。

私のアカウントの今年の売上目標は、60万ドル(約6,700万円)です。

60万ドル? 年間でしょうか?

はい。アマゾンには、繁忙期と閑散期があります。今(6月現在)は少しずつ繁忙期が始まってますね。

そうですね。では去年の実績はどうだったんでしょうか?

去年は30万ドル以上で、40万ドルには届かなかったです。

その60万ドルですが、簡単に達成できそうでしょうか? それとも難しいでしょうか?

これからまた、商品URLを追加する必要がありますね。

あ、そうえば今は6月ですから、もう半年過ぎてますね。じゃあもう実はすでに80%ぐらい達成してたりしないんしょうかね?

いえいえ、上半期は閑散期なんですよ。

あ、そうでしたね。じゃあ達成できるかはわからないですね。

繁忙期は9月からです。7月から少しずつ売上は伸びますけど、9月から大幅に売上が膨れあがります。

なるほど。セラーとしての目標は60万ドルということで、Bettyさん、ぜひ頑張ってくださいね! それでは李さん、セラー育成機関としての目標はどんなものがありますか?

セラー育成機関についてですが、設立の主な目的はより多くのセラーのリソースを統合することができる、というものがあります。私たちは去年2017年の9月設立からこれまで(6月時点)で、100名以上のセラーを育成してきました。Betty先生も今年で50名近くのセラーにトレーニングをしています。そして2018年の私たちの目標は、もっとたくさんのセラーを育成していき、将来的に同じアマゾンプラットフォームで1人で作業をするのではなく、生徒がお互いのリソースを共有しあって、たくさん交流しあい、アマゾンビジネスを成功につなげる交流の場を作る、というものです。これが私たちの最終目標です。ですので、これから先は少しずつ良くなっていくと思います。

去年9月設立からこれまで(6月)で、100名ほどのセラーを育成したんですか? すごいですね!

はい。私たちは少人数制でセラー育成していて、教室にも多くて10人前後しか座れないようにしています。人数が多すぎると、トレーニング時の良好なインプットにも影響を与えますし、生徒さんたち個々の質問にも、講師は全て答えられなくなります。ですので、私たちは少人数制で頑張っているところです。少人数制でトレーニング効果のあるものを確立して、アマゾンプラットフォームでのセラー同士が話し合って一緒に結果を出していけるようにしたいですね。

今教室は1つだけでしょうか? 他の場所はあるんでしょうか?

他にはないですね。私たちのようなセラー育成機構は、育成機構全般的に見てもそうですが、一定の規模になったらホテルの会場でトレー二ングを実施します。

そうだったんですね。本当は「今後は教室の数をいくつに増やしたいですか?」と質問をしようと思っていたところでした。

下半期は、オフィスを2階3階に拡張していきたいですね。またこれはまだ模索中ですが、下半期は他の場所でも、つまり深セン以外の場所でも、アマゾンセラー育成を展開したいですね。

そうですか! これからも益々お忙しくなりそうですね! いろいろとお話を聞かせていただきまして、どうもありがとうございました!

【インタビュー追記 (2018/12/11)】

本記事の掲載時に再度Bettyさんと連絡をする機会があり、今年掲げていた売上目標についてお伺いしたところ、12月中旬時点でほぼ達成したとの報告を受けました。
実際に結果を出しているBettyさんと、彼女の在籍するする天鴿跨境(テンガカジン)では、日本語のわかるスタッフもいるようですので、もしアメリカアマゾンに挑戦してみたいと思う方は、一度彼らのスクールに問い合わせてみるのもいいかもしれませんね。

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Takuya Mitsui

EC Big Data Div. Director at Adways Technology Limited. 【Contact】■LinkedIn : https://www.linkedin.com/in/takuya-mitsui-6aa220b9 ■Facebook : https://www.facebook.com/takuya.mitsui.756 ■we chat : mitsui33sky

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